お葬式セミナーの日常

しばらく書きませんでした。いろいろコメントをありがとうございます。
かなりハードな日程で、各地のお葬式セミナーへ出向しています。葬送について、いわゆるエンド・ユーザーとしての消費者意識は、ほんとうに大きく変化しています。業界や仏教界においても危機的状況といっても過言ではありません。つまり人の死に際しての心情的対応が希薄化しています。その半面、実務的な合理性、つまり経費の削減を前提とした次世代への負担軽減が、言葉の上で「子供に迷惑をかけたくない」という意見として多く寄せられます。
表層的な心情は理解できますが、その本意は、価値や意味の見出せない葬送はしたくないという気持ちが強いようです。
現在「葬祭カウンセラー養成講座」を開設していますが、受講者にとって一番理解してもらいたいのが、命や死や葬送、供養に関しての「感性」を自覚してもらうことです。
今日、「お葬式に関する奥様モニター会議」を某所で行ってきました。12名の参加者が来られました。その多くが、イメージ的なところで「家族葬」あるいは「無宗教葬」を望んでおられましたが、それらの要因は会葬者人数による経費の浪費やその後の供養、特に寺院との関係においてのお布施や寄付の問題が鬱積しているようでした。これらの対応に関して、なぜ今お葬式や供養に関してこのような現状になってしまったのかを「死に場所」の推移(自宅死から病院死の圧倒的増加)から検証して解説しました。原因の一つを見定めることから、あらためて対処しなければならない事例だったからです。
これからの葬送に関して、問題解消やあらたな提言をするにしても、もやはり現状に至る経緯を社会的な背景や人心の変化を踏まえて、冷静に反省点を導き出していかなければならないでしょう。
少しづつですが、今後はそのようなコメントをしていきたいと思います。