家族でのお葬式

大勢が詰め掛けるお葬式セミナー

最近のセミナー傾向は、いわゆる家族だけでのお葬式を望む声が多い。消費生活センター社会福祉協議会などからの講師依頼も、それを踏まえたテーマ要望をよくされます。昨日は大船に新設された「笠間ホール」のオープン・イベントで記念講演として、やはり、いわゆる「家族葬」についてお話をしてきました。また明日は岐阜県可児市と言うところで同じようなお話をしてきます。
この背景にあるものは、これまでの伝統的なお葬式が、きわめて惰性的、画一的に行われ続け、またその費用についても多大な不満があるようです。同時に檀家・菩提寺というこれまでの既成関係にも、大きな不信感が渦巻いています。いったい仏教界としてはどのような対応を将来的に考え、布石を打たれるのか私自身も不安に思うところです。おそらく次世代(私は50代ですが・・)においては、そのつながりはきわめて不安定かつ希薄なものになっていくことでしょう。
このような時勢に対処するための私案を機会があるごとに述べて行きたいと思います。
同時に私どもの新刊書「自分らしい逝き方」(新潮社 新潮新書2006.10.20発行)http://www.shinchosha.co.jp/book/610188/にもいろいろな提言を書きました。

葬祭カウンセラー養成第2回目終了

今朝10時くらいから第8期葬祭カウンセラー養成講座の2回目を行いました。
いつも言うことですが、葬送にかかわる人材で必要なことは、その人自身の「感性」の問題です。
その感性は、潜在的、深層的な無意識でありなかなか自分自身が自分の感性に触れるような実感は得られないものです。そこで日本文化に見られる「霊性」を人間交流の視点として捉えると比較的穏やかなイメージで解説することができるのではないかと思いました。つまり日常的な人間関係の中で観念的に行っている慣例や慣習、これはお中元・お歳暮に見られる贈答観念やお正月を迎える際の気持ちの持ち方などにも表れている更新・再生観念であるような気がします。
これらは霊的には相対的な個々の感性を伴ったものですが、日本人の基層的な共通観念として意識されにくい面を持っています。
そこで、葬送にかかわる鎮魂観念や封鎖・封印などの儀礼から実働する慣例・所作などを、言葉として「怨霊」や「タタリ」を有しての解説はきわめて前時代的なイメージを招く恐れもあり、これらの概念を現代的な言葉に置き換えて、どのように伝えていくかが大きなポイントになると思いました。
それらに対しての無意識の感性がそれぞれにあることは間違いないことですが、その表出をしていく難しさを感じています。
この講座を積み重ねていけばいくほど、この思いはとどまりません。
本来、これは宗教者の分野であると思いますが、葬送の実務対応を踏まえて、またその後の供養継続を示唆していく上で、できる限り自分なりの考え方を述べていきたいものだと思っています。
同時に的確な宗教者(特に僧侶)のサポートを期待しています。

◆写真コメント
 京都化野念仏寺の風景

お葬式セミナー報告

はてなダイヤリーのいろいろな記述を少し勉強しました。画像の貼り方とか。これからはできるだけ写真を入れたもので、ご報告してみたいと思います。
11/15は静岡県伊東市の商工会議所で、市民向けセミナー(6回目)を行ってきました。地元葬儀社の主催ですが、定期的、継続的に行われています。伊東市の市民の方々のお葬式に対する関心も高く、70名近い参加者が来られました。
今回はお墓やお布施の問題と葬儀社選択・会員制度についての問題点などを提起してお話しました。
11/18には三島市の商工会議所でも市民向けセミナーで同じようなお話をしました。(同じく6回目、生涯学習センター開催を入れると7回目)
ほんとうに、多くの方々がお葬式への不安を持っていると同時に事前の対応、「こころづもり」をしておきたいとの考えを持っていました。けれども、事前に考えておくための知識や知恵などがないのが現状です。この点にセミナーの大きな開催意味があると自負していますが、多くの葬儀社はただただ他社より安い価格のアピールや見せ掛けの会員割引などをキャッチフレーズに「セミナー」と称して露骨な営業目的を第一に人寄せをしているところがあります。
ニュートラルで正確なお葬式にかかわる情報を発信している葬儀社セミナーはまだまだ、少ないように感じられます。
少なくとも、日本葬祭アカデミー教務研究室がお伺いしているところでは、そのようなところはありませんが、これは最初からそのような葬儀社からの講師依頼を受け付けていないからです。

お葬式セミナーの日常

しばらく書きませんでした。いろいろコメントをありがとうございます。
かなりハードな日程で、各地のお葬式セミナーへ出向しています。葬送について、いわゆるエンド・ユーザーとしての消費者意識は、ほんとうに大きく変化しています。業界や仏教界においても危機的状況といっても過言ではありません。つまり人の死に際しての心情的対応が希薄化しています。その半面、実務的な合理性、つまり経費の削減を前提とした次世代への負担軽減が、言葉の上で「子供に迷惑をかけたくない」という意見として多く寄せられます。
表層的な心情は理解できますが、その本意は、価値や意味の見出せない葬送はしたくないという気持ちが強いようです。
現在「葬祭カウンセラー養成講座」を開設していますが、受講者にとって一番理解してもらいたいのが、命や死や葬送、供養に関しての「感性」を自覚してもらうことです。
今日、「お葬式に関する奥様モニター会議」を某所で行ってきました。12名の参加者が来られました。その多くが、イメージ的なところで「家族葬」あるいは「無宗教葬」を望んでおられましたが、それらの要因は会葬者人数による経費の浪費やその後の供養、特に寺院との関係においてのお布施や寄付の問題が鬱積しているようでした。これらの対応に関して、なぜ今お葬式や供養に関してこのような現状になってしまったのかを「死に場所」の推移(自宅死から病院死の圧倒的増加)から検証して解説しました。原因の一つを見定めることから、あらためて対処しなければならない事例だったからです。
これからの葬送に関して、問題解消やあらたな提言をするにしても、もやはり現状に至る経緯を社会的な背景や人心の変化を踏まえて、冷静に反省点を導き出していかなければならないでしょう。
少しづつですが、今後はそのようなコメントをしていきたいと思います。
 

お葬式セミナー各地で!

明日から、いろいろ地方へ参ります。
10/19は福島県いわき市の消費者センターで市民対象のお葬式セミナーです。100名以上の申し込みがあるそうです。
10/21はNHK大阪文化センターのお葬式に関する1日講座ということで20名くらいの受講生が集まりました。
それが終わると同時に、岡山県へ行き葬祭企業の社員研修ということで講義をしてきます。
また来週は24日台東区、26日は新宿区の消費者センターでのお葬式セミナー。また27日には静岡県三島市で、お葬式に関する「奥様モニター会議」に同席したあと、午後、御殿場市に赴き、葬祭企業主催の社員研修として『遺体衛生保全』に関するセミナーでお話してきます。
秋は勉強の季節ですかね。この分野でもいろいろと研修、学習セミナーが多く開催されています。
一般消費者も葬祭企業も、これまであまり考えてこなかった今後のお葬式の在り方について、ようやく前向きに対応し始めた問うな印象を受けます。
がんばります。
新潮新書から私の本が10/17発売になりました「自分らしい逝き方」というタイトルです。どうぞよろしく。